~信頼と実績で明日を拓く 山本建設~
ブログ記事「2024年4月25日」にて、ご紹介したコンクリートの続編になります。
コンクリート 低炭素社会にむけて
建設工事に欠かせないコンクリートは様々なインフラに使用され私たちの生活を守ってくれています。しかしながら環境破壊をしている事も事実であり、これからの社会では如何にして自然との共生を図っていくかが、大きなポイントとなります。
コンクリートは2つ以上の素材を組み合わせた「複合材料」で化学反応により効果を発揮するため、調合・タイミング・施工方法を間違えると品質低下を招きます。
私たちが施工する上の品質とは外観・強度・水密性・耐久性・ひび割れ抵抗性などがあり、
今回は「ひび割れ」について少し深堀りしていきたいと思います。
コンクリートのひび割れといっても様々な要因があります。
- 温度変化(体積変化)による収縮
- 中性化
- 塩害
- 凍害
- アルカリ骨材反応
- 強度不足
上記の説明と対策を簡単にご紹介
①温度変化(体積変化)による収縮
コンクリートは硬化するとき水とセメントの水和反応により水和熱といわれる温度上昇をおこします。
コンクリートの断面が薄い場合は熱が発散しやすいため、温度上昇も比較的少ないですが断面が厚い場合は熱が発散し難く、温度上昇も比較的大きくなります。
よって断面が大きいコンクリートでは内部と表面に温度差が生じ引張応力によるひび割れが発生しやすくなります。
対策
- 発熱量が小さい高炉セメントを使用する。
- パイプクーリングなどによりコンクリート内部を冷やす。
- AE減水剤を使用し単位水量を少なくする。
②中性化
コンクリートは水和反応が起こるとアルカリ性の水酸化カルシウムという物質が生成されPh値12~13のコンクリートが出来上がります。
コンクリート内部にある鉄筋は酸化に弱くアルカリ性に覆われている事で腐食を防いでいます。
しかしながらコンクリートは経年により空気中の二酸化炭素の作用を受けて水酸化カルシウムが徐々に炭酸カルシウムになりアルカリ性が低下し中性化していきます。
これがコンクリート内部にある鉄筋位置まで達すると鉄筋の腐食が生じやすくなり腐食生成物が体積膨張をおこしひび割れを発生させます。
対策
- 鉄筋かぶり厚さを大きくする。
- 水セメント比を小さくして密実なコンクリートにする。
- コンクリートの表面をタイルや自然石平板で覆う。
③塩害
コンクリート中に存在する塩化物イオンの作用により鉄筋が腐食しコンクリート構造物に損傷を与える現象です。
コンクリートに塩化物イオンが侵入する原因としては、コンクリートの材料(海砂、混和剤、セメント、練り混ぜ水)に最初から含まれているものと、海水飛沫や飛来塩化物、凍結防止剤などの塩化物がコンクリート表面から浸透する場合とがあります。
対策
- コンクリート中の塩化物イオン量を少なくする。
- 高炉セメントなどの混合セメントを使用する。
- 鉄筋かぶり厚さを大きくする。
- 水セメント比を小さくして密実なコンクリートにする。
- 鉄筋に樹脂塗装する。
④凍害
コンクリートに含まれている水分が凍結すると、水の凍結膨張に見合う水分がコンクリート中を移動し、その際に生ずる水圧がコンクリートの破壊をもたらします。
この破壊は主にセメントペースト中、骨材中及び両者の境界で生じます。
対策
- 大きな骨材(砂利)を使用する。
- AE剤(混和剤)を使用し適度な気泡をコンクリート内部に連行させる。
- 水セメント比を小さくして密実なコンクリートにする。
⑤アルカリ骨材反応
コンクリート中のアルカリ性の水分と骨材中にある成分(シリカ分)が反応して生成物が生じ、これが吸水膨張してコンクリートにひび割れを生じさせる現象です。
対策
- アルカリシリカ反応試験により合格した安全な骨材を使用する。
- 単位セメント量を減らす。
- 混合セメントB種以上を使用する。
⑥強度不足
コンクリート強度には圧縮強度、引張強度、せん断強度などがあり、それを超える荷重がコンクリートに作用した場合にひび割れが発生します。
特に側溝、橋梁、擁壁、柱など外部からの圧力がかかる構造物は決められた設計基準強度以上で施工する必要があります。
またコンクリートは一定期間の養生を経て硬化していくため養生不足による強度不足もあります。
対策
- 供試体による強度試験を行い、安全と認められたコンクリートを使用する。
- 鉄筋量を増やす。
- 水セメント比を小さくして密実なコンクリートにする。
コンクリート施工は、現場環境・気温などによっても品質に影響があり施工方法を間違えると場合によっては人の命にかかわります。
現場管理者は様々なリスクを考え「品質管理」を行っていく必要があります。
この記事を書いたスタッフ
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皆さんこんにちは広報担当のKouyuです。
インターネットやSNSの普及で世界中に情報が飛び交い社会が変化するスピードも加速している昨今、建設業界においても例外ではなく私たちも多様化するニーズに対応するべく困惑しながら何とか生き残っております。
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