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私たちのくらしに欠かせないコンクリートの背景には施工者たちの長年の経験に基づいた技術や心意気が隠されております。
今回はコンクリートの施工についてご紹介させていただきます。
コンクリートは単に生コンを型枠に流し込めば固まりますが施工方法を間違えるとひび割れ、強度不足、耐久性低下につながります。
コンクリートの施工において重要なポイントを下記にまとめてみました。
コンクリートの運搬
生コン工場から運ばれてくるコンクリートは時間の経過とともに固くなるため、施工性の低下や材料分離を引き起こします。
よって生コン工場から現場打設までの時間は外気温が25℃以下の場合は2.0時間以内、25℃以上の場合は1.5時間以内を標準としております。
また下記図のようなシュートを使用し打ち込みをする場合は斜めシュートではなく縦シュートで施工した方が材料分離が起きにくくなります。
締固め(しめかため)
コンクリートは打ち込み中およびその直後に振動機などにより十分に締固めなければいけません。
締固めが不十分であるとコンクリート中に空隙が残りコンクリートの品質を著しく低下させます。
コンクリートの行き渡りが困難な箇所では打ち込み後に型枠を軽打するか型枠振動機を用いて行き渡りを確実に行う必要があります。
内部振動機の扱いについての注意点
- 内部振動機はなるべく鉛直に、かつ一様な間隔(一般に50㎝以下)にこれを差し込んで締め固める。
- 内部振動機は下層のコンクリート中に10㎝程度挿入するのが良い。
- 1ヶ所あたりの振動時間は5~15秒とする。(振動機のかけすぎは材料分離の原因となる)
- 内部振動機の引き抜き跡が残らないよう徐々に引き抜く。
- 内部振動機はコンクリートを横移動させる目的で使用してはならない。
養生(ようじょう)
コンクリートが打ち終わってからコンクリートが相当の強度を発揮するまで衝撃、荷重を加えるなど有害な影響を与えることの無いように保護し、またセメントの硬化作用を十分に発揮させるとともに乾燥するために生ずるひび割れをできるだけ少なくするための作業を養生といいます。
よって養生作業は
- 霜、日光、風および大雨に対してコンクリートの露出面を保護すること。
- コンクリートが十分硬化するまで衝撃及び過分の荷重を加えないように保護すること。
- コンクリートの硬化中相当の温度を保つこと。
- 硬化中十分湿潤な状態に保つこと
(これらのうちで湿潤に保つことが最も大切な事項で、単に養生といえばコンクリートが過早に乾燥するのを防ぐための作業を意味する場合が多い)
現場管理者は設計通りに施工するのではなく、運搬距離・気温・取り扱う材料・現場を取り巻く環境など現場状況を十分に把握し工事を進めていかなくてはいけません。
コンクリート施工は奥が深く、未だ施工者の経験と勘に頼っています。
AI技術でコンクリート施工ができる時代はもう少し先の話になりそうです。
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