リニア中央新幹線(環境への配慮)

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建設・土木工事

リニア中央新幹線計画は、2027年品川・名古屋間の開業1、そして大阪まで2045年に全線開通を目指す超高速鉄道プロジェクトです。このプロジェクトは、その革新的な技術や経済への影響だけでなく、建設・土木工事および新幹線運用がスタートされてからも環境への影響について大きな関心が寄せられています。

山本 タロウ

2024年現在、建設・土木工事の進捗状況はどうなんでしょうか?

リニア中央新幹線の工事では2023年3月から調査の目的も兼ね、都市部(神奈川県川崎市)で掘削工事が行われてきました。その後、掘削調査も無事に終え2024年1月15日にトンネル掘削工事現場がメディアに公開されました。

2024年9月には大都市の地下40メートル以上の深さにておこなわれるトンネル掘削工事が本格的に開始される予定です。
本格的な掘削が開始されると一日平均およそ10メートルずつ掘り進める計画だということです。

神奈川県 JR橋本駅周辺

リニア中央新幹線は全線のおよそ9割が山岳地帯を通る予定で、各工事区間で難所工事も見受けられます。

リニア中央新幹線の建設は日本の鉄道技術と環境対策の最先端を行くプロジェクトです。特に山岳地帯での難所工事においては、技術的な困難と環境保全の必要性が高度に求められる部分であり、その解決策には多くの工夫が凝らされています。

中でも最大の難所工事は、2015年から着工した南アルプストンネル



(工事名称:中央新幹線南アルプストンネル新設【山梨工区】)工事となります。

日本を代表する山々が連なる、南アルプストンネルは全長およそ25km、地表からトンネルまでの深さ(土かぶり)が最大で約1,400mと、長さ・深さ両方のトンネル規模としては国内でも最大であり難工事となります。

山本 タロウ
山本 ハナコ

「土かぶり」とは、地表からトンネルまでの垂直距離、つまりトンネルの上面から地表までの深さを指します。
「土かぶりは」、トンネル工事や地下構造物の計画・設計において使用されることが多く、トンネルの安全性や工事の難易度、環境への影響を評価する際に重要な指標となります。

山本 タロウ

中央新幹線南アルプストンネル工事では、トンネルの「土かぶり」が深い分、工事の難易度が上がっているので安全面や環境への配慮が大切なんですね!

2024年3月現在、その他、都市部・ターミナル駅など各地で建設工事が進めれています。

建設・土木工事を進める上で以下のような、計画管理のもと工事が進められています。

  • 作業員の方の安全管理
  • 工事用車両の安全運行


    (工事車両へのステッカー明示)
  • 交通誘導員の配置
  • 環境保全措置(大気質・騒音・振動低・工事排水の適切処理により水質保全及び土壌汚染回避 )
山本 ハナコ

安全な工事・環境保全など、地元地域との連携が必要ですね!

引用:JR東海 リニア中央新幹線 山岳部トンネル工事より

  1. リニア中央新幹線計画は2024年3月29日JR東海(東海旅客鉄道株式会社)の発表により「東京・品川~名古屋区間において2027年の開業目標を断念する方針を明らかにした。」との報道発表。 ↩︎
リニア中央新幹線 2027年の開業断念

リニア中央新幹線計画は2024年3月29日JR東海の発表により東京・品川~名古屋区間において、2027年の開業目標を断念する方針を明らかにしました。

技術革新

リニア中央新幹線の超高速での運行実現に向け、建設・土木工事では、さまざまな技術革新への取り組みが行われています。

技術革新に関して、主要なものをいくつかご紹介します。

  • トンネル掘削技術:リニア中央新幹線のルートは多くの山岳地帯を通過するため、長大なトンネルが必要です。これを実現するために、高度な掘削技術と掘削機が開発されました。これにより、硬い岩石を効率的に掘削し、プロジェクトの進行を加速させています。
  • 地盤改良技術:新幹線の安全かつ高速運行を確保するためには、線路の下の地盤が非常に安定している必要があります。地盤改良技術は、地震や地盤沈下による影響を最小限に抑えるために不可欠です。
  • 防振(ぼうしん)・制振(せいしん)技術:超高速で運行するリニアモーターカーは、大きな振動を生じさせる可能性があります。この振動を効果的に制御し、周辺の住宅地への影響を最小限に抑えるために、防振・制振技術が開発されています。
  • 環境影響評価技術:大規模な建設プロジェクトでは、周囲の環境への影響を最小限に抑えることが重要です。リニア中央新幹線の建設にあたっては、進行ルートや工事方法が環境に与える影響を評価し、可能な限り自然環境を保護するための技術が採用されています。
  • 高強度・軽量建材の開発:トンネルや橋梁(きょうりょう)などの構造物は、リニアモーターカーの高速運行に耐えうるだけの強度が必要ですが、同時に重量を抑えることも重要です。このため、新しい材料技術が開発され、高強度でありながら軽量な建材の使用が進められています。
  • 高精度な測量技術:リニア中央新幹線のような精密なルート設定には、GPS測量技術や3Dレーザースキャン技術など、高精度な測量技術が必要です。これによりコストの削減と工期の短縮が可能になります。

これらの革新技術と環境への深い配慮により、リニア中央新幹線の建設を可能にするだけでなく、未来への建設・土木工事においても新たなスタンダードとして期待されています。

リニア中央新幹線は日本の鉄道建設技術の新たなステージを築いているんですね。

山本 ハナコ

リニア中央新幹線の建設における土木工事では「地盤改良技術」と「液状化対策」が非常に大切です。日本は地震が多い国であり、特に液状化は地震の際、大きなリスクの一つとなります。
リニア中央新幹線の建設におけるこれらの地盤改良技術は、日本の複雑な地質条件の下でも、超高速で安全に列車を運行するための基盤を築いています。

山本 タロウ

私たち山本建設では地盤改良技術として「地盤強化」と「振動低減」を同時に実現可能なD-BOX(ディーボックス)工法の取り組みをおこなっています!

環境への配慮

リニア中央新幹線の工事から運用にあたって、「自然環境への影響」「騒音や振動問題」「地域社会への影響」など多くの異なる側面を考慮に入れる必要があります。

環境への配慮に関して、以下のような取り組みが行われています。

  • 自然環境(生態系)への配慮:建設・土木工事では地域の生態系に影響を及ぼす可能性があるため、動植物の生息地を保護するための対策が講じられています。これには、特定の動植物の移動や、工事による影響を最小限に抑えるためのルートの調整が含まれます。
  • 騒音および振動の管理:リニア中央新幹線の工事と運用では、騒音や振動を引き起こす可能性があります。これらの影響を軽減するために、防音壁の設置や住宅への振動対策など、さまざまな技術が採用されています。特にトンネル内を高速で通過する際の「トンネルブーム」と呼ばれる現象は、周辺の住宅地や自然環境に影響を与える恐れがあります。
  • 環境影響評価(EIA): プロジェクトでは、環境影響評価を通じて、計画のすべての段階で環境への影響を評価しています。この評価には「生態系」「水質」「土壌」「空気質」「騒音」など、多岐にわたる要素が含まれます。
  • トンネル掘削時の配慮:リニア中央新幹線は、多くの部分でトンネルを掘削する必要があります。この過程で、地下水の流れに影響を与えないように配慮しつつ、掘削によって発生する廃材の適切な処理が行われます。
  • 地域社会への影響:リニア中央新幹線の建設は、経済的利益や交通アクセスの改善をもたらしますが、一方で地域社会や地域経済に対する潜在的な負の影響も考慮する必要があります。これには、土地の取得や生活環境の変化などが含まれます。
  • エネルギー効率の良い運行:リニアモーターカーは、従来の鉄道システムに比べてエネルギー効率が高いとされています。このため、運行による環境への影響を減らすことができます。
山本 タロウ

環境影響評価(環境アセスメント)ってなんでしょう?

山本 ハナコ

将来、リニア新幹線ができることで誰にとっても便利になることは、たいへん良いことです。
しかし大規模な事業・開発を実施するにあたり自然環境破壊などが無いよう事前に調査・予測・評価を行い、その結果を公表することで環境保全の観点から総合的かつ計画的により望ましい事業計画を作り上げていこうとする制度なんですね。

山本 タロウ

環境への影響を最小限に抑えつつ、社会的・経済的利益を最大化するため、これらの緩和策を実施することが求められているんですね!

私たち山本建設の取り組み

私たち山本建設はコンプライアンスを遵守し循環型社会を目指して日々行動してまいります。

「地盤強化」と「振動低減」を同時に実現し、セメント系固化剤は一切使用せず自然環境に配慮されたD・BOX(ディーボックス)工法で循環型社会に対応した、インフラ構築を実現します。

地盤改良 D-BOX工法
地盤改良工事 D・BOX工法

地盤改良 D・BOX工法

地盤補強と振動低減効果を同時に実現。
地盤補強だけでなく振動や液状化被害の低減性能も備えており、他工法とは一線を画す特徴ある地盤改良工法です。

D・BOX(ディーボックス)工法は一般財団法人日本建築センターより「建設技術審査証明」を受けており、安心してご利用頂ける工法です。

低コスト・大幅に工期短縮が可能でCO2排出量を削減する「PCa+S(ピーシーエー・プラス・エス)」構法で循環型社会を実現します。

PCa + S構法(ピーシーエー・プラス・エス構法)
PCa + S構法(ピーシーエー・プラス・エス構法)

PCa + S構法(ピーシーエー・プラス・エス構法)

PCa+S構法では、あらかじめ工場で製造したコンクリート部材を現場に運び、建設現場にて組み立てをして建物を完成させることで建設費用と建設工期を大幅に抑えられます。

「安全性」・「快適性」・「柔軟性」を実現できる新しい構法技術です。
構法開発元・設計:株式会社 加藤建築事務所

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この記事を書いたスタッフ

のび
のび広報・WEB担当
山本建設は創業から60年、建物や道路工事など地元地域を彩るお手伝いをしてきました。

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